鉄道事故と業過致死傷罪
日本海新聞 伯備線事故 現場責任者を在宅起訴 JR西は不起訴
昨年一月、鳥取県江府町のJR伯備線で、保線作業中のJR米子支社の社員が特急列車にはねられ五人が死傷した事故で、誤って列車の来る方向とは反対側に見張り員を配置させたとして、鳥取地検米子支部は三日、業務上過失致死傷の罪で現場責任者の同県日吉津村日吉津、JR米子支社の松原史明社員(25)を鳥取地裁米子支部に在宅起訴した。労働安全衛生法違反容疑で書類送検されたJR西日本は嫌疑不十分で不起訴処分にした。
起訴状によると、松原被告と保線作業員六人は昨年一月二十四日午後一時十二分ごろ、同町武庫の伯備線軌道内で敷石を固める作業を開始。松原被告は同支社運輸指令から特急スーパーやくも9号の遅れを伝えられ、9号の来る方向に見張り員を配置しなければならないにもかかわらず、反対側に配置させた。同一時十七分ごろ、9号にはねられて保線作業員三人が死亡、二人が頭や足に八-十四日のけがをした。
事故原因に関して同地検は、松原被告が作業開始前、通常なら9号の後に現場を通過する別の特急列車が通過するのを目撃したことから、9号がすでに現場を通過したと思い込んで見張り員らに9号の遅れを伝えず、反対側に配置したと判断。「注意義務違反の程度と結果の重大性を考慮して起訴した」と説明した。
一方、労働安全衛生法違反については「反対とはいえ見張り員を配置している」と指摘。罪に問えないと判断した。
同地検は特急運転士、指令員、根雨保線管理室長も捜査したがいずれも立件を見送り、JR西日本についても事故防止マニュアルを理由に過失は問えないとした。
繰り返し取り上げている業過致死傷罪に関する事件です。
結果責任主義が当たり前になってしまっている今、保安作業員3人が死亡、2人がケガをされたということで、やはり誰か個人を刑事訴追しなければ、という力学が働いています。
この現場責任者を処罰して何になるのでしょうか。刑事罰は爾後の安全環境に何も寄与しません。医療事故も自動車事故も同じです。
今回の事件で言えば、JR西日本が誠意を持って作業員や遺族に謝罪・補償すること、そしてこの事故を安全管理のために研究材料として活かすことが一番大切と考えます。
不毛な刑事罰のニュースが後を絶ちません。
トラックバック 1
鉄道事故 に関する最新のブログ検索の結果をまとめて、口コミや評判、ショッピング情報を集めてみると…







>不毛な刑事罰のニュースが後を絶ちません。
まったくおっしゃるとおりだと思います。
過失犯の場合、加害者もある意味で被害者的な側面が必ずあると思いますし、一度過失で重大な事故を起こした張本人(起訴されら人)は、同じ間違えを二度とすることはないと思いますし、張本人以外の人も、張本人が起訴されようとされまいと、誰一人として事故を起こして仲間を殺したいと思っていないでしょう。
この意味では過失犯を刑事罰に問うことはまったく不毛だと思います。
しかし、
>JR西日本が誠意を持って作業員や遺族に謝罪・補償すること、
>そしてこの事故を安全管理のために研究材料として活かすことが一番大切と考えます。
この部分、特に後半部分がどうしてもうまく動作しないため、強権を使える警察に出番が回ってしまうのではないでしょうか?
遺族が”主観的に”十分に納得できる謝罪や保障がされることはまずないでしょうし、爾後の安全対策のために自己を十分に研究するということもあまりされていない気がします。
交通事故も、医療事故ももっと建設的な対応が取れないものかと常々思ってはおりますが、、、、誰か考えつかないものでしょうか?
通りがかりで失礼いたしました。
by 通りがかりの法学徒 (2007-12-25 22:13)
法学を学んでおられる方のコメント、大変ありがとうございます。
ご指摘の通り、事故の原因や機序を解明し、事故再発防止に資するシステムがきちんとしていないために警察が介入するという現実があるのでしょうね。
よく考えてみると、色々な事故がおきるとまず警察が動く構造ができあがってしまっており、警察以外の調査委員会ができているものの方が少ないのが現実ですね。
刑事警察に頼らず事故の調査をきちんと行うシステムができてこないと、私の訴える業過致死傷罪の廃止はまだまだ遠いのかも知れません。
コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2007-12-25 23:57)
私も筍ENTさんのおっしゃるとおりと思います。
手を下してしまった方もまた被害者。
システムを管理する人にこそ責任を追及して、よりよいシステムに変えることが大切ですよね。
筍ENTさん、ぜひ、主張してください。
応援しています。
by ミラミス (2007-12-26 03:42)
おはようございます!
私はよく電車のなかから現場の人をみかけるのですが、
よく平気であるいているなぁっとか
危なくないのかなぁって思ってます。
それは上の人の指令により安全に
仕事をされていたんですね。
でも、指令する側も100パーセントにはいかないでしょう。
よく遅れたりしているので、
それを確実に情報としてはいればいいのにーっと思いました、
だって、多々遅れてますからね。
ミラミスさんのようにもっといいシステムになればいいなっと思います。
by majubijou (2007-12-26 07:39)
ミラミスさん、majubijouさん、コメントありがとうございます。
ミラミスさんのご指摘のように、実際に“加害者”の立場になってしまった人も被害者とも言えるかも知れませんね。法律はおいても、普通の考え方をする人なら、過失で誰かを死傷さてしまったとしたら、一生その罪を心に背負って生きて行くことになると思います。それだけでも重い十字架だと思います。
そして日本ではそこに検察・警察が現れて、実際に懲役刑を科そうとするシステムになっています。
こういうことをしているのではなくて、本当に事故再発に役立つことを考えていかなくてはいけませんね。
majubijouさんの言われるように、色々な仕事で危険を伴うものは多々あります。逆に100%安全な仕事はないかも知れません。交通機関はもとより、ミスや判断の誤りが他の人や自分を死傷させてしまう仕事は色々あると思います。
医療事故に限らず、100%理想の結果を得られるシステムはないはずなので、ヒューマンエラーを減らす努力が常に求められると思います。
そしてエラーを起こした個人を糾弾する今の日本の法システムをぜひ見直して欲しいと思っているのです。
コメントありがとうございました。
by 筍ENT (2007-12-26 22:44)