毎日新聞 <新型インフルエンザ>流行時「病床確保」…13府県のみ
新型インフルエンザが大流行した際、感染患者の入院病床を確保できる見通しが立っているのは13府県にとどまることが、毎日新聞の調査で分かった。感染が疑われる患者を一般患者と接触させずに集中的に診るため、国の行動計画が設置を求める「発熱外来」も、設置場所が決まっているのは8県しかない。医療スタッフを確保できる見通しがあるのは1県にすぎず、医療体制確保が進んでいない実情が浮かんだ。
大流行した場合について国は、国民の4人に1人が感染し、最大約2500万人が医療機関を受診、約200万人が入院すると想定する。調査は5~6月、各都道府県の担当者を対象に実施。入院病床確保の見通しなどについて聞いた。
病床確保の見通しは「できる」が13府県、「できていない」が25道府県だった。「できる」と答えた自治体でも、対応病院がすべて決まっているのは6府県にとどまった。
流行時の医師や看護師確保の見通しは、15県が「足りないだろう」と回答。「足りるだろう」は1県しかない。多くは「分からない」と答え、確保の見通しは立っていない。
発熱外来の設置場所を決めているのは8県。「医師会などと協議中」が19都府県、「今後検討する」が19道県だった。設置個所数は22都府県が具体数を挙げたが、山形県の「4カ所以上」から、静岡県の「2899カ所」まで幅があった。
発熱外来の開設時期は▽国内発生後22府県▽管内発生後12府県▽その他(海外発生後など)11都道県--と分かれ、東京都は「大流行時」と答えた。「海外での発生時」とした兵庫県は「最初の患者発生から発表まで時間がかかる場合があり、早めに設置する」。京都府は「早く設置すると混乱やパニックを起こす恐れもある」として「管内で発生してから」と回答した。
流行時の学校の対応については「一斉休校」が13府県。7県は「管理者(市町村など)に一任」で、23道府県は「未定」だった。
国の備蓄目標「治療薬のタミフル2800万人分、プレパンデミック(大流行前)ワクチン2000万人分」には、22道府県が「増やすべきだ」と指摘。「現行で十分」は8府県しかなかった。【まとめ・清水健二】

各都道府県への
アンケートの結果が整理され、書かれています。整然とした記事です。
しかしその後が掘り下げられていません。なぜ大量発生が予想される入院適応患者を受け入れられないか。
答えは出ているのではないでしょうか。
その一つ。以前にも書きましたが、私が以前努めていた公的病院の院長の年頭の挨拶は、ともかく病床を埋めろ、ということでした。ベッドを遊ばせておかないように。これが院長の自治体からの評価そのものだったのでしょう。ただでさえ赤字の病院を少しでも立て直せ、稼げ、ということですね。
こんな状態の病院が大量発生感染症患者など受け入れられるはずもありません。
もう一つ、昨今問題になっている医師不足です。いくらベッドが空いていても、とてもそれを治療する医師が足りません。入院してもきちんと治療できなければ何にもなりません。
この両者に共通する問題の根は医療費削減しか念頭にない政府にあります。赤字経営を続けている病院、医療崩壊の原因として、結果重視のみに基づく医師の訴追・訴訟と並んで、医療費削減が挙げられているのはご承知の通りと思います。
新型インフルエンザで大量の国民が死亡し、そのうちのかなりの患者が救命し得たかも知れないという事態が発生したら、それは国家の未必の故意による国民の殺害に相当します。政権は万死に値する犯罪組織と言われても仕方ありません。
2008-10-15 21:56
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