So-net無料ブログ作成

自動車運転過失致死罪 [車/バイク]

カナロコ てんかん患者による事故で運転手に禁固4年求刑/横浜地裁

横浜地裁.jpg 昨年三月、横浜市鶴見区の歩道で市立中学二年の男子生徒(14)が、てんかん患者の男が運転する車にはねられ死亡するなどした事故で、自動車運転過失致死傷罪に問われた川崎市幸区の会社員(45)の論告求刑公判が十八日、横浜地裁(木口信之裁判官)であった。検察は「てんかんの薬を処方通り飲まなかった」などとして、禁固四年を求刑。弁護側は「薬は飲んでいた」として無罪を主張し、結審した。判決は三月十八日に言い渡される。

 公判では、証人として出廷した男子生徒の両親が「私たちは一生息子を失った悲しみを抱えて生きていく」と被害感情を訴え、「被告は本心から謝罪しているとは思えない。実刑にしてほしい」などと意見陳述。

 検察側は論告求刑で、「被告は、過去にもてんかんの発作により物損事故を起こしたことがあった。薬を飲まないと発作が起こることを知りながら、処方通り服用していなかった」などと指摘した。

 弁護人は「被告は薬を飲んでいた」として、過失責任を否定し無罪を主張した。

 起訴状などによると、会社員は二〇〇八年三月九日午前十時二十五分ごろ、鶴見区下末吉三丁目でトラックを運転中、持病のてんかんの発作を起こして意識を喪失。歩道で信号待ちしていた男子生徒を死亡させるなどした。


鶴見区下末吉3丁目.JPG運過致死傷罪を廃止して欲しいと以前から願って来ました。ドライバーを刑事裁判にかけて、あまつさえ被害者参加制度まで駆使して遺族感情をぶつけるこの裁判が顕著にその不毛さを表しているように思います。

車に命を奪われた男子生徒の両親にしてみれば納得しがたい不条理です。おそらく何の落ち度もない子供が、飛び込んで来たトラックに命を奪われた。許せない。
しかしそれは感情論です。以前から書いて来たように、誰の人生もその進路の周囲に色々な危険な落とし穴がたくさん開いています。このトラックがもう少し手前か先方で歩道に突っ込んだのであれば、この生徒は命を落とすこともなかったかも知れない。

もちろん賠償を受ける権利があります。トラックの加入していた自動車保険から十分な補償を受けるべきだし、実際によく見られる、保険会社の保険金過少算定があれば、それに対して不服を申し立て、場合によっては訴訟を起こすべきこともあるでしょう。万が一トラックドライバーが自動車保険未加入であれば当人に賠償請求を行うことになるでしょう。

てんかんを患うこのドライバーを交通刑務所に4年間収容させるとこの両親の溜飲は下がるのでしょうか。典型的な、そしてただの応報主義にしか見えません。
nice!(4)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 4

コメント 10

きゅんぱち

先生の主張には全面的に賛成ですね。
で、これとはまったく別の「事故を起こす確率」という視点でいいますと、てんかんのような薬を飲まないと意識喪失するような持病の方には運転手としてトラックを運転させてはいけないですよね。
その意味で、先生がお書きになっておられるように

>トラックの加入していた自動車保険から十分な補償を…

受けることにより、当該事故にかかる補償とするものであると思います。
同じような事例でいわゆるもやもや病をもつ運転手を乗務職から外すのには、運行管理者としてワタクシもエラく手こずった記憶があります。
というのは、その病気による発作が起こりさえしなければ、いちばん水揚げのいい運転手だったからです。
でも、配車事務職に転向させましたよ。
経営者に直談判して、万が一今回の記事のような社会的重大な事故が起こった時に、損害賠償は保険で対処できたにせよ、企業イメージに対する損害とを天秤にかけた場合に運転させ続けるかどうか、どちらが社にとって経済的損失が少ないか熟慮されたし、とやったわけです。

>誰の人生もその進路の周囲に色々な危険な落とし穴がたくさん開いています。

全くもって先生のおっしゃるとおりで、その落とし穴にみすみす落ちるマネをしない為にもリスクヘッジをとるのも企業努力ではないのか、この訴求内容に経営者側が応えてくれたというものです。
by きゅんぱち (2009-05-30 20:36) 

yokohamachuo

実は、私はこの事件の裁判を傍聴しており、結局判決は「禁固2年8ヶ月の実刑」で確定しました。

私はてんかんに関する知識が無いので、本件についての刑事訴追が妥当であったのかどうかについては言及を避けますが、この被告の場合、遺族に”嘘の釈明”をしたことが被害感情に火に油を注ぐ結果となりました。

私は基本的に「応報主義」には懐疑的であり、「被害者参加制度」については否定的立場です。しかし、業務上過失致死傷罪が生まれた背景には、加害者側の不誠実な態度や責任回避の姿勢(つまり、モラルハザード)があったのも事実であり、この点を見落とすと、またかつてのような「交通戦争」と呼ばれるような無法状態に逆戻りしかねない、という懸念が法曹界にも根強くあるということは付記しておきたいと思います。
by yokohamachuo (2009-05-31 01:06) 

yuki999

難しい問題ですね。
by yuki999 (2009-05-31 07:02) 

今日の小児科医

もともとてんかん既往のある方の運転免許取得要件は内服または治療により長期にわたり発作が抑制されていることですので、「被告は、過去にもてんかんの発作により物損事故を起こしたことがあった。」のならばいつの時点の話かわかりませんが、その時点でアウトという気がします。「薬を飲まないと発作が起こることを知りながら、処方通り服用していなかった」という記載からは発作がコントロールされていなかったことがうかがわれますが、実際のところはわかりません。
もちろん発作が長期間抑制されている方でも、運転中に意識消失を伴うような発作の再発があり事故を起こすというケースは考えられるのですが、てんかんの初回発作(あるいは脳出血など他の要因)による意識消失は誰にでも起こりうることで、それと比較しても前述の要件は比較的妥当(それで発作を起こして事故を起こしたとしても免責すべき)であると考えるのですが、やはり重要なのは「きちんと内服をして」「長期間発作がなかった」のかどうか(yokohamachuoさんのモラルハザードの有無?)でしょうね。
今回の事件でてんかん患者さん全体に不利益となることがないように期待します。同時にもっと事故自体を少なくする方法はないものかと思うのですが、難しいですね。
by 今日の小児科医 (2009-05-31 10:53) 

Quri

非常に微妙な例をあげられたと思います。が、逆に整理して考えやすい事件とも考えられ、先に投稿されている方々のコメントの中にほぼ集約されているようにも思えます。
したがって目新しい意見ではありませんが、

 まず、この被告人の行為ですが、てんかん発作がおこりやすい状態である事を認識していて、実際に過去に同様の事故を起こしていて、なおかつ指示通りに治療をしていない。報道で得られる情報どおりとすれば、この件は飲酒運転で事故を起こしていながら相変わらず飲酒運転の常習であるケースなどと共通の反社会性があり、過失とは言えない部分があると思います。結果としての事故の有無にかかわれず、この行為に関して刑事事件として取り上げることは妥当でしょう。起こりうる危険を考えれば2年8ヶ月の禁固(私も調べてみました)も不当とは言えないと考えます。
現在のルールを調べていませんが、このようなケースには免許書の条件欄に明記することが必要ではないでしょうか。場合によっては診断書や血中薬剤濃度などの定期更新証明添付などの必要まであるかもしれません。その上で、たとえば脊髄損傷後の方の運転になされているように、広くハンディキャップのある方の運転のための建設的サポートが不可欠であることはもちろんでしょう。

一方で被害にあった方のほうです。先生が指摘されるとおりどんな人の人生にも理由のない不運がふりかかる可能性があります。車を運転している人の急病で歩行者が巻き添えになる、などはその代表のような事例です。一生子供を失った悲しみをかかえて生きていくつらさは余人がコメントできるものではありません。しかしだから実刑を!ではなく、社会全体で被害者を癒してあげられるような受け皿を考えることが本筋でしょう。これは考え方が分かれる部分ですが、いつも投稿させてもらう通り、私は応報主義に反対の立場です。

by Quri (2009-05-31 12:41) 

筍ENT

ご訪問、コメントありがとうございます。

きゅんぱちさんのご経験のように、会社側として当該車を運転手としての仕事を続けさせるか、異動させるか、企業イメージや長期的な視点から決める必要に迫られることがあるのは事実ですね。企業のリスクマネジメントという視点も重要と思われます。

yokohamachuoさん、実際の裁判の傍聴という貴重な体験をありがとうございます。常々被害者感情などは刑事裁判に持ち込んではならない、という主張をして来ましたが、モラルハザードを刑事裁判の判事に認識されて量刑に影響が出てしまうのは現実なのでしょう。被告人側としてはまずいやり方でしたね。
爾後の交通に与える影響を考えるのは、本来行政処分で良いはずなのですが‥。現実の刑事裁判はまだすぐには変わらないようです。

yuki999さん、ご訪問ありがとうございます。早速覗かせて頂きました。これから書きに行きます。

今日の小児科医さんのご指摘、やはり意識消失の観点からすると、確かにてんかん患者さんが発作を起こす可能性を、その他の人が脳血管障害などで意識消失を来す可能性と同等に抑えることができることが必要、という基準が必要でしょうか。
てんかん患者さんの権利はもちろん守られなければなりません。そして予測される交通事故も同時に防がなければなりません。巻き込まれる人もいますが、本人のためでもありますね。てんかん治療の進歩、また車の安全装置の開発などに期待したいと思います。

皆様、貴重なコメント頂き、ありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-31 13:13) 

筍ENT

Quri先生、ご訪問ありがとうございます。
先のコメントを書いてアップしている最中にコメントを頂戴したようで、失礼致しました。
ご指摘のように、指示通りの治療を受けていないとすれば、それは飲酒運転と同様の糾弾は免れないと思います。
ハンディのある方の建設的サポートは、先にも書きましたが、自動車の安全装置の開発などに期待したいと思いますが、難しいでしょうか。

そして後半書かれた、社会全体が被害者を癒し救済することができるような状態を切に望みます。刑事的に誰かを貶めることが被害者を救う、という発想は早く捨て去られて欲しいと思います。

コメントありがとうございます。
by 筍ENT (2009-05-31 13:33) 

きゅんぱち

>広くハンディキャップのある方の運転のための建設的サポートが不可欠

>社会全体で被害者を癒してあげられるような受け皿…

>刑事的に誰かを貶めることが被害者を救う、という発想は早く捨て去られて欲しい…

なるほど。
筍ENT 先生、Quri先生の御両人のコメントを拝読しまして、勉強になった次第であります。
by きゅんぱち (2009-05-31 14:06) 

筍ENT

再度のご訪問ありがとうございます。

私ごときの記事やコメントなどはあまり役にも立ちませんが、貴重なコメントを頂戴するたびに感謝しております。
きゅんぱちさんのご経験に基づくお話、いつもありがとうございます。

今後もよろしくお願い致します。
by 筍ENT (2009-05-31 14:37) 

連続婦女暴行魔 中島大士

愛媛県今治市波止浜169在住の中島大士(なかしまたいし)は暴走族今治連合に所属する暴走族です。
彼らは少女を車で拉致して暴行を加えては、写真を撮り、自分たちには関東連合がバックについていると言って脅します。
そして、被害者の周囲で執拗に暴走を繰り返し、恐怖を与えて口封じをし、再び暴行に現れます。
今治連合の暴走族中島大士に気を付けて下さい。
by 連続婦女暴行魔 中島大士 (2015-12-24 02:47) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。